極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「王妃は救われ、世界は虚無による終わりを免れた。見事だったよシーリ。でもその先が果たして思うような未来に繋がるのかは、もう誰にもわからない」
森の風にたなびいた彼女の髪の隙間から、完全な真円を描く黒石が覗いた。
「全ての人にとって、未来とは幸せの地続きの上にあるわけじゃない。あとわずかで、君たちはそれを思い知ることになるだろう」
双魔の賢女と呼ばれしふたりが、分厚いコートのそれぞれ片側を持つと、彼女の肩に被せる。
その背に描かれしもの――国旗にも掲げられる栄えある魔帝国の印――夜闇の月。
「今宵我らは、魔女帝不在の隙に都を制圧し魔帝国を掌握する。征くぞ」
「――ハッ」
真紅の布地に黒月を背負ったメナは、紫のハードカバーから、一枚のページを破り捨てると宙へ投げ捨てた。その場にいた魔女たちの身体が浮かび、メナを先頭にしてある方角へと向かい始める。
その先にあるのは――夕焼けをくっきりと切り取ったような、黒い居城のシルエット。
時が経つと共に、その元に帝国全土からも、多くの魔女と兵士が集っていった。
その後時は流れ……ある日、魔帝国で起きた大異変が聖王国のみならず、世界をも揺るがすこととなる――。
森の風にたなびいた彼女の髪の隙間から、完全な真円を描く黒石が覗いた。
「全ての人にとって、未来とは幸せの地続きの上にあるわけじゃない。あとわずかで、君たちはそれを思い知ることになるだろう」
双魔の賢女と呼ばれしふたりが、分厚いコートのそれぞれ片側を持つと、彼女の肩に被せる。
その背に描かれしもの――国旗にも掲げられる栄えある魔帝国の印――夜闇の月。
「今宵我らは、魔女帝不在の隙に都を制圧し魔帝国を掌握する。征くぞ」
「――ハッ」
真紅の布地に黒月を背負ったメナは、紫のハードカバーから、一枚のページを破り捨てると宙へ投げ捨てた。その場にいた魔女たちの身体が浮かび、メナを先頭にしてある方角へと向かい始める。
その先にあるのは――夕焼けをくっきりと切り取ったような、黒い居城のシルエット。
時が経つと共に、その元に帝国全土からも、多くの魔女と兵士が集っていった。
その後時は流れ……ある日、魔帝国で起きた大異変が聖王国のみならず、世界をも揺るがすこととなる――。