極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 彼女はあの後班を移動し、ペーレ室長の下で働くことになったみたい。

 研究室では元々この白い花の生産に関わる人物を求めていたから、室長がお見舞いに来てくれた時、リナのこと相談してみたんだ。花の知識に聖女としての力を合わせ持つまさに打ってつけの人材だったから、すぐに採用が決まったみたい。

 その後世界書の件で疲弊した私が数日間寝込む間に、お見舞いがてら謝罪しに来てくれて、無事感謝を伝え合うことができた。

 彼女はお父さんと相談し、この花にティオというお母さんの名前を付けたんだって。
 未来に向けて希望を残してくれた優しい聖女の花は……少しずつ平和になった王国にゆっくりと浸透してゆくことになるだろう。

 そう――あの日を境に魔物は出現していない。世界書の黒ずみは消え、魔物の通る亀裂が全て塞がれたためだ。
 それは本当に喜ぶべきことだけれど、同時に私たちはもうひとつの問題に向き合わねばならなくなった。あの日から、少しずつ世界書の存在が希薄になり始めた。

 つまり、今日明日のことではないけれど……数年から数十年の先には、この世界は消えてしまう。
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