極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 しばしぼんやりと突っ立ったまま挙動不審でいた私たちにいち早く気付いてくれたのが、広間の入り口近くに陣取っていたアルベール様と、デュリス殿下だった。

 別々の方向からゆったりと近づいてくるふたり――その交差する地点に一気に注目が集まり、視線を浴びた私たちは身を固くする。
 そして当のふたりはなんと、合流するなりお互いを威嚇し始めた。

「なんだアルベール。シーリには声をかけたのはオレだぞ。用があるなら黙って待つのが筋ではないか」
「先に声をかけたのはこっちだよ。それに僕も母上から彼女のエスコート役を仰せつかったとあっては譲れないね。君も国王の後継者……ここは聖王国の模範として寛大な姿勢を周りに見せてはどうかな?」

 あの一件があったことで和解したはずのふたりだけど……。
 うーん、アルベール様が以前より遠慮なく接するようになった分、険悪さが増したような気がしないでもない。

 だが、大勢の人目を気にしたか……最終的には兄の方が大人しく引きさがった。

「ま、せっかくの祝賀会を台無しにはできない。僕はポピア嬢をエスコートさせていただくよ」
「ちっ……無駄に張り合わず最初からそうしておけ。ほらシーリ、近う寄れ」
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