極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「これについて、ご存じな方はいないかと思って。唯一私があの施設に預けられた時から身に付けているものなんです」

 物言わぬままシャンデリアの光を吸い込む黒い石……それを見た王妃様とアルベール様は思い思いの感想を述べる。

「少しいびつな形をしているね。どこかで欠け落ちたような……」
「この聖王国ではあまり見ない石に思えるけれど……」

 そこで唐突に、私はある言葉を思い出す。

「あ、そうだ。ダスクムーンという名に聞き覚えは?」

 メナがあの時、髪留めを差して言った言葉。
 それを聞いた王妃様が一瞬顔を強張らせ――そこで、広間に続く扉から、兵士の報告が届く。

「お楽しみのところ失礼いたします! 賓客の方々が訪れました、お通ししてよろしいでしょうか⁉」
「そうだったわね。つい、時間が経つのを忘れてしまって――通してちょうだい」

 王妃様の許可が下り、兵士は一礼すると扉を大きく開ける。
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