極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 だからこそこれからはなるべく目立たず騒がず、自分にできる仕事をそつなくこなし分相応に生きていきたい。まあ、そうも言っていられない差し迫った事情もあるんだけどね――。

 そんな私だけど、現在ちょうど聖王国の南側にある辺境の街に帰ってきたところだ。
 所属している聖女会では、半期ごとに二週間ほどの長期休暇が取れる仕組みがある。そこで今まで慌ただし過ぎて酷使した精神と肉体を休めるべく、昔生活していた孤児院の様子を見に来ることにしたのである。

「子供の成長って早いから、君もあの子たちがどう変わっているか楽しみじゃないか?」
「そうですね。他人のふりでもされちゃったらどうしよう……」
「そんなことはないだろうけどね」

 そんな私の都合になぜ、この騎士団長様が合わせてくれているのか。
 それは国王陛下から直々に、私の果たすべき目的の手伝いを命じられたためだ。

 孤児である私――というかこの元の身体の持ち主は、両親……特に母親のことを全く知らずに亡くなった。
 この世界に呼ばれた時、その場面を魂の状態で目の当たりにすることになった私は……彼女の境遇を自身の前世と重ねて、この肉体に乗り移った後もそのことを割り切れない思いとして抱えて来た。
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