極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 屋敷を出、以前魔物を倒した後も子供たちが手入れを続けてくれている畑を通りすぎ、林の中へ。この先は獣が出るからって、孤児院にいた頃は近づかせてもらえなかったっけ。

 シスターは目印でもあるのか、その先をずんずん歩いていくと……やがて出っ張った崖の下に辿り着いた。
 そこには……盛られた後のある土の上に、木材で作られた簡素な十字が立っている。かなり、古いもののようだ。

「……誰か、ここで亡くなったんですか?」

 何も考えずそう尋ねた私にシスターは珍しく目を細めると、崖の上に覗く青空を眺めながら言った。

「お前の親父の墓だよ」
「――――!」

 雷に打たれたように身体が硬直したのは、果たして今の自分の心が発した命令だったかどうか。
 気付けば、私は駆け寄ってそのお墓の前にぺたんと座り込んでいた。

 脳裏に、初めてこの世界に来た時の記憶が……まるで昨日のことのように思い浮かぶ。
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