極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う

5・大聖殿

「……はぁ~、すごいですね。こんなにも大きな建造物、初めて見ました」

 馬車から降りた私の目の前にそそりたつは、壮大なる白亜の神殿――。

 数日の旅を終え訪れたのが、この聖都シェノンに座する聖女会の総本山、大聖殿。どうやら聞くところによると、聖王国が誇る歴史的建造物の中でも指折りのものなのだとか。

「だろう? この大聖殿は、大昔“岩”の聖女がひと月足らずで建築したと言われてる。数百年以上たつけれど、目立った劣化は出ていないよ」

 聖女の奇跡ってすごいんだなぁ――と説明を聞きながら、ただ唸るばかりの私。
 だが恐るべきことに、そんな国内有数の歴史遺産に負けず劣らず、隣に佇む金髪の青年は美々しい。

 彼のお名前はアルベール・セイモア。肩書はランシルエルト聖騎士団・騎士団長。

 その容姿と身なりから貴族以上の地位であることは明らかだが、孤児である私にも丁寧に接してくれる好人物で、かえってこちらの方が委縮してしまう。
< 44 / 275 >

この作品をシェア

pagetop