極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「声明に書かれたあなたの署名を見た時、まさかと思ったわ。魔女帝になるなんて……」

 どうやって生き残ったの。なぜ、魔女たちの信用を得ることができたの。訪ねたいことはたくさんあった。でも……いったい口火を切れば、渦巻いた感情を抑え切れない。私は痛む喉を押さえてわめいた。

「いったい何を考えているの! 以前のあなたは、こんな大勢の人を巻き込んで、戦争なんて起こせる人じゃなかった! そこまでして……ロバートの復讐を遂げたいの⁉」

 私にとっても大切なその人の名に、微かにメナの表情が揺れる。そのまま彼女は笑みを湛え、私の言葉を肯定する。

「そうだね……それもある。私の王国貴族たちに対する怒りは微塵も消えてはいないからね。でもね……わかってもいるんだよ。今さらそんなことをしてもどうしようもないことは。……あの日々は、何をしようともう永遠に帰ってくることはない。戻れもしない」

 彼女は視線を落とし訥々(とつとつ)とこぼす。その寂しげな表情に、確かに感じてしまった……。彼女は、私の知るメナという人間の根元は変わっていない。

 捻じれた運命に翻弄されようとする、あの頃のまま――。
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