極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 妹であるメナのことは、彼と付き合い始める前から知ってはいた。彼女は優秀な聖女として聖女会に入会して頭角を現し、二年と少し経つうちにはすでに青百合の称号をまでを手に入れるところまで来ていた。私から見ても彼女の才能は明らかで、活躍を聞くとうかうかしていられないという気持ちになったものだ。

 次の金盞花の乙女となる最有力候補――そうとまで言われたメナに悲劇が訪れたのは、彼女がロバートに紹介された私と丁度少しずつ打ち解けて来た頃だった。体調が思わしくない日が増え、任務の最中に頻繁に倒れるようなる。

 ある時、元々子供の頃から熱を出して寝込むことも多かったのだと、医務室に駆け付けたロバートに聞いた。なのに、憧れの聖女となった嬉しさで……ずっと体調の悪化を押し殺して働いていたことも。

 ロバートと正式に付き合うようになる頃には、メナは、もうあまり長い時間起きていられないようになっていた。なんの悪戯か、その原因は優れた聖女特有の病気。意図せずに過剰な聖力を身体が生み出してしまうことで、体細胞に大きな負荷を与え弱らせてしまうというもの……。

 治癒の奇跡で一旦は症状が収まろうとも、生きている限り彼女の身体は自動的に余分な聖力を生み出し、自己を破壊してゆく。聖筒などによる、聖力を移す技術を使おうと症状の進行は抑え切れず、メナの病状は目に見えて悪化した。
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