極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 日毎に衰弱していくメナと、少しずつ瞳から余裕を消していくロバートのことを、私は心配することしかできずに日々の仕事をこなしていた。
 彼は寝食を忘れて法研の一室に籠ると、たまにしか姿を見せてくれなくなった。噂では、誰にも理解できない研究に取り組み始め、周りも呆れているようだ。

 私はもう言葉すら紡げなくなったメナの見舞いに訪れつつ、ここにも来なくなったロバートをどうしようもないことなのだと見過ごしていた。どうすることが正解なのか……妹を救うために必死になる彼の気持ちも分かっていたからこそ、メナと最後の時を一緒に過ごすべきだと説得することもできず――。
 時間が解決することを……ただ祈る毎日。

(やはり……このままじゃダメだわ。彼と話をしなければ)
 
 聖都外での日を跨ぐ勤務の間に、心を決めた私は大聖殿に戻ると、ロバートと話をするため法研に赴いた。だが……そこで私はマールから、驚きの報告を耳にしてしまう。

『ロバート・アルシェーヴは……聖王国法務部に拘束され、王宮の地下牢に幽閉された。おそらく、一生あそこから出てくることはないだろう。……おいルイーゼ、どこへ行く!』
< 467 / 840 >

この作品をシェア

pagetop