極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う

36・様々を背負って

「ふう……いけるかな。これで……」

 小さめの旅行用トランクに、これでもかと詰め込んだ荷物を前に、息を吐く。

 私は本日これから、聖王国の東部国境線へと向けて出発するつもりだ。ある大きな任務を任されて。
 結構な長旅になるかもしれないけど、行軍の内容を考えるとあまり余計なものは持っていけない。数日分の非常食と水、着替え、応急処置道具くらいがせいぜいかな。後は多少の金貨……これが地味に重くて困るんだよね……。

「あっ……閉まらない。この、このっ」
「あーあ、なにやってんの」
「ポピア!」

 トランクを上から抑え込んでぎゅうぎゅう抑えていると、寮の扉の入り口から、ポピアが顔を見せる。
 彼女は私の雑に畳んだ服を、トランクの中に入れ直してくれた。

「こんな風に畳んだら、そりゃ入らないわよ。ここはこうして……」
「あ、ありがと……。じゃなくて、あなたどこいってたの⁉ ミシェル班長がカンカンだったよ⁉」
< 481 / 840 >

この作品をシェア

pagetop