極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 でもそれは現実的に無理だ。なんせ、こちら側に残る金盞花の乙女は今やマール様だけ。聖女たちのまとめ役として、全体の指揮をしっかりと執ってもらわなければ。

「顔を上げてください。保証はできませんけど、ルイーゼ様を助けることに全力を尽くします。幸い、魔女帝と軍団長も無事でいるみたいですし」

 ひとつだけ朗報があった。通信用法具でマール様にその出来事を伝えてくれたのが、他ならぬ魔帝国のふたりだったことだ。彼らはどこかに身を隠しているらしく、まだこの戦争を止められる可能性は潰えていない。

「彼らと合流し、ルイーゼ様の代わりに必ず無事に帝都まで送り届けてみせます。それで、戦争を止めてもらったら、ふたりでこっちに戻ってきますから。それまでここで帰りを待っていてくださいね」
「ふふ……。最初に会った頃は、なんてことない普通の娘だと思っていたが、見誤っていたな。今は私もお前を信頼している。そのマント、よく似合うぞ。戻ってきたら、それにふさわしい英雄として迎えてやるからな」
「あはは、そんな大袈裟な」

 ひょっとしたら怒られるかもしれないと思ったけれど、マール様は三乙女にしか許されない金盞花の図案を背負うことを許してくれた。このマントが……聖女会の伝統を長年守ってきた乙女たちの加護を、私に与えてくれると信じよう。
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