極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「――行ってきます!」

 さあ、不安が疼きださない内に、もう行こう。大聖殿を見上げると、他にもちらほらと知り合いの聖女たちが手を振ってくれている。
 たった数ヶ月過ごした建物だけど、確かにここが私の帰る場所だ。必ず、また――その意思を込めて私もそれらに大きく振り返すと、敷地の外へ。

 まずは東部へ向かう馬車の停留所へ足を運ぼう……そんなことを考えながら街路樹の下を歩いていると――。

「お嬢さん、旅の馬車をお探しではないかな?」

 一台の馬車に寄りかかったある人物に呼び止められ、私は軽く噴き出した。

「……っアルベール様⁉ どど、どうして⁉」

 その顔をしげしげと眺めるまでもなかった。こんな美男が世の中にごろごろいてはたまらないのだ。それにしても……彼は聖騎士団の団長として、とうに東部の国境線に赴いたはずなのでは⁉

「辞表を提出してきた。おかげで、今はただの旅の剣士って感じかな」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉」
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