極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「君の力が必要となるのはまだ先だ。それまでは軽い観光気分でいるといい。僕が必ず魔女帝たちのもとへと送り届けるから。こうしてれば、さすがに周りが見ても聖王国からの救出要員だなんて誰も思わないさ」
「はあ……」

 仲良し夫婦を偽装する練習だと言うアルベール様に、私は恥ずかしながら手を引かれていく。

 でも同時に、なんだか安心もしていた。ひとりじゃない……何もかもを自分だけで背負わなくていいんだと、教えてもらえたから。

「ありがとうございます」
「こんなくらいで君の信頼が得られるなら安いものさ。さあ、魔帝国観光旅行の始まりだ」

 彼が一緒に来てくれて良かった。
 そのことを痛感した私は……慎重かつ、少しだけわくわくした気持ちを胸に帝国の領土内を進み始めた。
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