極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う


「綺麗な川があってよかったですね」
「ふう……。帝国内は山岳が多くて、鉱物資源の産出や水資源が豊富らしい。おかげで喉が渇く事態は避けられそうだね」

 清流に手を浸した私が言えば、タオルで顔を拭いていたアルベール様が豆知識を教えてくれる。
 魔帝国への潜入から数時間。上からは見つかりにくい木々の間を歩き、街道に出た私たち。
 もう目と鼻の先に街の姿が見えている。

「この先には……大きな川があるかもしれない。まずいかもな。馬を買うのは得策じゃない……か」

 遠くまで目を凝らした彼の予想では、どうもいくつもの川から支流が合流していそうな雰囲気らしい。さすが騎士団長ともなると、たくさんの兵を率いて戦うこともあり、周辺情報から地形を読み取る術にも長けているみたい。

「河を渡ることになると船を手に入れるか……もしくはやっぱり飛ぶかですよね!」
「飛びたそうなところ悪いけど、なるべくその方向はなしで。戦争開始直前の今、自国への報復も考えて、こういうところには侵略を防ぐための予備兵たちも結構駐留しているはずだ。どこかで船を手に入れて、こっそり向こう側に渡るのがベストだね」
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