極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 微かにバーテンさんの眉がぴくっと動いたたが、彼は聞かなかったというように背を向けた。

「ま、今は川を渡るのはやめとけ。俺から忠告できるのはそれぐらいだ。他に聞きたい話があるんなら、追加で飯でも頼むか?」
「いや……ありがとう、もう十分だ」

 暗に元いた国へ引き返せと言われた気がして、私たちはそのまま酒場を後にする。
 どうも、今回の事態を国民もあまり歓迎してはいない様子だった。

「あの大義名分に欠けたやりようではね。民の不支持も無理はないことだ。よっぽどメナが、国の上層部をうまく抱き込んだのかな」
「でも……困りましたね。このまま真っ直ぐ川を渡れないとなると……どこかから迂回しますか?」
「う~ん……僕も帝国の地理にはそこまで明るくないし。なんとか監視を続ける帝国兵の隙を突けないかな……」

 アルベール様は相当悩んでいる。
 当然だ、今回の作戦には時間的制約もあり、移動に無駄な時間は割けないもの。あーだこーだと意見を交わしつつ、とにかく現地の様子を確かめようという運びとなった。
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