極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「バカな……。メナの目的はこの戦に先駆けて聖王国を大きく混乱させることだったはず。たとえシーリに成り代わり、お前たちが聖王国の変事を収めたところで……確実に彼女はどこかでお前たちを排除しにかかっていたさ。彼女の活躍は関係ない!」

 アルベール様がその主張を切って捨てると、ヴィーナはまるで子供のように顔を赤くし地団太を踏んだ。

「うるさいうるさいっ!  アタシがこの地位に上り詰められたのはベレニュスのおかげなんだ! あいつがいなけりゃもうどうしていいのかわからないんだよっ! 至高の聖女の座に手が届くところまで来ていたのにっ……。お前らは捕えて、アタシに逆らったことを存分に後悔させてやる!」
「ヒッ……ヴィーナ様! おやめください、ここでは!」

 彼女の身体が、ぼうと炎に包まれ燃え上がった。側に居た兵士たちが悲鳴を上げ、我先に遠ざかる。噂に聞いていたけど……力の乙女ヴィーナは“火”の奇跡を扱うらしい。

 彼女にも彼女の言い分があるだろうけど……さすがに金盞花の聖女として恵まれた生活を送っておきながら、犯した罪への復讐から逃れたいがため、王国全土を身代わりに差し出すなんて許されない。
 この人は……倒すしか!
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