極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 すなわち精神攻撃。まあ、所詮私もアルベール様も人をディスるのが得意ではないから、おままごとみたいなものだけど……。それでも十分気に障ったか、ヴィーナは手にしていた黒扇子をバキとブチ折り、地面へと叩きつけて激怒した。

 もし、ここで火炎放射的な遠距離攻撃をされようものなら防ぎようがないのだけど――彼女はなんと素手で飛び掛かってくる。

「もういい! お前たちはメナ様に引き渡すでもなくここで始末してやる!」

 その速度は聖騎士並み。
 私の目には彼女の姿が掻き消えたようにも見えた。けど……。

「――っと。舐めてもらっちゃ困るな。これでも一応聖騎士たちの長でね」
「くっ⁉」

 気付けば私はアルベール様に抱えられ、近くの民家の屋根の上に移っていた。彼は私を横抱きにしたまま眼下のヴィーナを一瞥する。
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