極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「やっぱり、抱き抱えるのはこういうかわいい子でなくちゃな。白粉で粉だらけにされても困るし、あんたみたいなやつと遊ぶのはごめんだね。それじゃ!」
「むきぃぃぃぃぃっ! お前たち、全員であいつらを追い詰めろ! とどめはアタシが刺す!」
「し、しかし……さっきのヴィーナ様の攻撃で街に火の手が!」
「うるさいねっ! そんなのぼんくらの国民どもに任しときゃいいんだよっ!」

 そうして――たちまちひとりの聖騎士対帝国兵数百の追いかけっこが始まった。アルベール様もここでの交戦はコルジェの街に被害を広げかねないと、場を変えるつもりなのだ。

(だけど……この流れはまずくない?)

 アルベール様の走り始めた方角は、帝都側。
 さっきバーテンが話してくれた通り大河が……しかもそこにはうじゃうじゃの帝国兵が見張っているはず。かといって他の方向に逃げれば、帝都へとたどり着くまで大幅に時間を浪費する。

「シーリ、大丈夫。計算通りだ」

 だが、彼は何か考えがあるのか口角をクイと引き上げた。
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