極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「死ねぇぇぇぇっ!」

 貴族令嬢の矜持はどこへやら。火炎を纏った拳が思い切り叩きつけられ、地面が砕け散る。恐ろしい威力だけど――まったくもって聖女らしさのかけらもない。

 でもやはり……マール様が教えてくれた通り、ヴィーナは直情傾向型のおバカさんで間違いない。

 その聖力は確かに、力の乙女と称されるにふさわしい膨大さで、聖女会の中でも指折り。ただ……聖力の扱いや知識に関しては下級の聖女にすら劣る有様で、いわゆる脳筋に過ぎないのだ。火炎を噴出させたり飛ばしたり、操るといったことはできず、身体に纏うという聖騎士寄りの使い方しかできない。

 そんな彼女が成り上がれたのも実家やジーレット侯爵たち貴族連合のおかげ。
 ゆえに、できる戦い方は限られている――。

「こそこそと逃げ回りやがって……。だが、もう後はないよ!」

 二撃、三撃とアルベール様は躱したが、徐々に包囲は狭まり、踵が岸の縁を掴む。
 そこでヴィーナはククッと喉を鳴らすと、アルベール様に提案した。
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