極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
そろそろ視界の前方では、無表情で佇む魔女帝と、腕組みした軍団長のラエルさんが見えて来た。
ふたりには微塵の動揺もなく、さすがの貫禄って感じ。
「最初からこうなるよう打ち合わせてたんですか?」
「時間調整が必要だったけど、なんとかなったね。でなくば……そうだな。シーリの奇跡で頑丈な船を作ってもらうっていう手もあったかもしれないけど」
確かにそうすれば、ヴィーナが無茶して追ってこない限りはなんとかなったかもしれない。よくこんなに次々作戦を思いつくものだと感心していると、だてに何年も騎士団で務めてないから――とアルベール様は謙遜しつつ華麗に微笑んで見せた。
そうこうしているうちに、アルベール様の足が大河の端を踏む。対岸からは、続々と大勢の兵士たちが追って来ようとしているが、金属鎧が不利に働いたのか、多くはまだ真ん中にすら到達していない。
魔女帝の前で腕から降ろされた私は、アルベール様の隣で跪く。
「ご協力傷み入ります、魔女帝陛下。このご恩は、あなた方を無事に送り届けることでお返しできればと」
「構わぬ。追撃に備え、余もここで少しばかり兵たちの戦意を削いでおく必要があったのでな」
ふたりには微塵の動揺もなく、さすがの貫禄って感じ。
「最初からこうなるよう打ち合わせてたんですか?」
「時間調整が必要だったけど、なんとかなったね。でなくば……そうだな。シーリの奇跡で頑丈な船を作ってもらうっていう手もあったかもしれないけど」
確かにそうすれば、ヴィーナが無茶して追ってこない限りはなんとかなったかもしれない。よくこんなに次々作戦を思いつくものだと感心していると、だてに何年も騎士団で務めてないから――とアルベール様は謙遜しつつ華麗に微笑んで見せた。
そうこうしているうちに、アルベール様の足が大河の端を踏む。対岸からは、続々と大勢の兵士たちが追って来ようとしているが、金属鎧が不利に働いたのか、多くはまだ真ん中にすら到達していない。
魔女帝の前で腕から降ろされた私は、アルベール様の隣で跪く。
「ご協力傷み入ります、魔女帝陛下。このご恩は、あなた方を無事に送り届けることでお返しできればと」
「構わぬ。追撃に備え、余もここで少しばかり兵たちの戦意を削いでおく必要があったのでな」