極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 そんな私の不安を読み取ったのか……速度を落とし並走しながら、ラエルさんが今後の動きを説明してくれた。

「ここから我々は一旦、ホルドキアという領地に向かう。そこは陛下の故郷で地盤も大きく……今頃魔帝国中から多くの賛同者が集まってきているはずだ。それらが集うのを待ち、率いて帝都を奪還する」
「なるほど……。さすがに陛下の力が絶大だとしても、多くの魔女や兵隊たちと、メナを同時に相手どるのは厳しいものな」
「そういうことだ。ホルドキア領までは半日もすれば着く。急ぐが、振り落とされずついて来い」

 ラエルさんはアルベール様と頷きを交わすと、馬に鞭をくれ魔女帝の前に出て道を先導し始めた。

 ふう……ここからが正念場。
 ヴィーナの追跡から一時逃れたとはいえ……この後帝都に突入、ルイーゼ様を救出し、メナの計画――二か国の戦争を止めなければならない。

 だけど……そんな大きな目標を前にしながらも、私の目は前方を進むラエルさんの姿につい惹かれる。
 やっぱり、似てる……あの雪の日の夢で見た、大きな背中と。

(少しだけでいいから……彼と、話をしてみたい――)
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