極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 私は震える手でそれを受け取り……。
 そして吊り下げられた半欠けの黒石は、こちらが所持していた髪留めと……ぴったり合った。

「ああ……」

 両手でそれを包み込み、ぎゅっと抱き締める。間違いなく、これらはひとつのものだったんだ……。

「母が、父が国を出る時に渡したものだ。まさか、再び完全な形に戻ることがあるとはな」

 ラエルさんは、“夜闇の月(ダスクムーン)”を握り込む私の手を上から両の手のひらで包んだ後、心の内を晒す。

「この時を、どこかで恐れていた。だが……今は君に本当のことを伝えられてよかったと思っている。ありがとう、シーリ。ちゃんと真っ直ぐに育ち、俺たちに会いに来てくれて。お前を探しにも行けずにいたこの不甲斐ない兄を、許してくれ……」
「ラエル……兄さん」

 本心からこちらを案じていた気持ちが伝わり、私はただ両眼をぎゅっと瞑るしかなかった。油断すると、また涙が零れてしまいそうだ。
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