極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「当たり前でしょう? 聖女といえば、このランシルエルト王国の象徴。質の悪いものを身に纏って笑われるのは国の方。だから常に聖女は美しく気高く、民草から敬慕を抱かれる人物でなくてはならないの」

 そう言うと、彼女は緩くウェーブした茶髪をかき上げながら歩いて来た。手入れを欠かしたことはないと主張するような美肌に整った容貌。身に着ける装飾品はいずれも素人でも分かるほどの高級品で、見るからに私などとは育ちが違う。

 少女は呆れたという様子でこちらを品定めすると、きつく舌打ちした。嫌な感じだなとは思ったが、案の定、次に彼女は受けた印象通りの言葉を投げかけてくる。

「――失格」
「え」

 直球すぎて言葉を失う私に……すでに数人の取り巻きを従えた少女は眉を吊り上げ続けた。

「何なのあなた、その貧相な格好。化粧もせず、髪もぼさぼさで華もない。知っている? 富める者には豊かな心が、貧しき者には卑しき心が宿るものよ。あなたのような人間が聖女になろうだなんて、おこがましくて笑えもしないわ。早く帰りなさい」
「なっ――!」
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