極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 しばらくの間、花畑は沈黙に包まれ……そして、辺りを陰で覆っていた雲が過ぎ去った時、ラエルさんが口を開いた。

「俺もあの時の事は覚えている……。無力な子供だ、どうしていきなり父と母から引き離されたのか分からずにずっと塞いでいた。だが――」

 護衛の任を全うし、立ったままでいた彼は、力強く胸を張り、その前で堅く拳を握る。

「陛下は、そんな俺を気にかけ、この身に宿る少ない魔力で戦う方法を教えてくれましたね。謝られることなど何もない。あなたも、母も、俺をここまで大きくしてくれた、誇るべき家族に違いありません……!」
 
 その姿を見て、私も思った。この場に居る誰かが悪いなんてことはない……。ただただ、厳しい時代の渦に放り込まれ、それぞれが大切なものの為に精いっぱいもがいた結果、今があるのだ。

(胸が……痛い)

 ここでこうして話を聞けることを感謝しないといけない……なのに。
 どうしても心が苦しく辛いのは……この私が、偽物だから。
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