極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「幼い頃、あの子に頼まれたのだ。もし……自分が死ぬことになったら……大好きな故郷の地と一緒になって、皆を見守っていけるようにして欲しいと。ろくに外に出かけられぬあの子にとって、あの庭と、この場所の花々も……家族と同じようなもの。それから……クラリスが眠りし時以来ずっと、ここでは季節を問わず花が咲く。この中で生き続け、我らのことを見守ってくれているのだろう」
「お母さんが……」

 日当たりの良い大地から、両の掌へと伝わる微かな熱。私にはそれが、触れたことのない母の背中の温もりのように思えて……。

「……少しだけ、ここにいていいですか」

 私はふたりの目をはばかることなく、その場所に蹲った。

「ああ……心ゆくまで」

 すると魔女帝とラエルさんは席を外し……私は、大地の感触を身体中で噛み締める。
 ゆっくりと太陽が下る中……胸がきゅうっとなるような喪失感に、どうしても頬を伝うものが止まらない。でも、それは柔らかい土が受け止めてくれた。
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