極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 恐ろしいことに、そこには、予めことごとく法具や魔道具を使った罠が仕掛けられ、我々はまんまと吊りだされてはその被害を受け、延々と遠回りをさせられたというわけだ。その間に魔女帝たちは挙兵を済ませ、帝都へと出発してしまった。

 つまり、さんざん無駄足を踏まされたあげく、全速力でやつらを追いかけねばならなくなったのだ。後から地図と自分たちの導線を見比べ、巧妙な計画の元に時間稼ぎされたのだと分かっても、後の祭り――。

「くそぉっ! 無能な味方に足を引っ張られたせいだ! 逃げられないようにして一対一で戦えば、あんな男一匹くらい……どうとでもなったものを!」

 せめてアルベールの身柄さえ押さえられておけば、人質交渉の手段にもなり、今後の戦いがどう転ぶにしても有利な札のひとつになったはず。

 なのにその目論見は破れ、連日の強行軍で軍の士気はがた落ちだ。アタシも寝不足で肌はボロボロ。ただでさえこっちの国じゃろくな化粧品も手にはいりゃしないってのに……。
 金盞花の乙女として何年間も磨き続けた美とプライドも完全に地に堕ちた。

 メナからの覚えもめでたくなく……。もしやつらが帝都に辿り着くまでに所定の配置に付かなければ、逆賊として名を晒し、明るい陽の下で生きていけなくしてやるとの通達が来る始末。
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