極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 まさか、金盞花の聖女となってたった数年のうちに……ここまで追いつめられることになるなんて。

(冗談じゃない、アタシは……頂点でいい景色を拝みかっただけなんだよ! くそ、これじゃ聖王国にいた時の方がマシだ)

 ベレニュスが始末され、アタシはメナの誘いに乗ることでなんとか命を取り留めた。だが、このままじゃやつらに利用価値を証明できない。そうなっちまえばもう終わりだ……!

「あぁ……ちくしょう。あっちにいた頃はよかったなぁ。なんせ、金盞花の聖女ってだけでちやほやされ、ちょっと奇跡をちらつかせりゃあ、どいつもこいつもアタシの望むようにしてくれた」

 今思ってみれば、あの頃が最高の状態に近かった。
 仕事は手下に任せ、聖都の贅沢な屋敷で男を何人も侍らせて。
 王族でも簡単に飲めない美酒を片手に寝っ転がって管を巻いてりゃ唸るような金が入ってくる。

 他国との交渉だって、アタシが聖女だってことをちらつかせりゃ、どこも袖の下をわんさか送ってきやがるのさ。アタシにとっちゃ聖女の仕事なんて、ただの小遣い稼ぎだった。生きてるだけで皆がどんどん貢いでくれる……その価値があると、アタシは社会に認められていたんだ。それを……。
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