極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「アルベール、アルベールアルベールぅっ……寝ても覚めても、あいつの顔が脳裏に浮かんで離れやしない。くうぅぅ……」

 アタシの指の爪がシーツを耳障りな音を立てて引き裂いていく……。
 本来この怒りは、あの成り上がりの小娘シーリに向けるべきなのかもしれない。しかし、アタシの意識は、それどころではなく……ずっとあの金髪男に占領されている。

 やつがこんなにもアタシの心を掴んで離さないのは……文字通り、絶世の美男子に他ならないからだ。

 黄金にも劣らぬ輝きを放つ美髪に、くすみひとつない真珠のような柔肌。なよなよしくはない程度に鍛えられた美しい身体付き。女が望むものみんな持ってやがる……やつに比べれたら、これまで聖都で贅を尽くして囲った最上級の男娼どもすら霞む。

 あいつを追ううちに芽生えた妙な感情が、どんどん膨らんでくる。
 ああ……アルベールを手に入れたい。自分の下で縛り付け、一生アタシにしか触れられないように監禁して、その身も心も全て貪り尽くしてやるのだ……。

 アタシはベッドから身を起こすと、暗い笑いを漏らしだす。
< 576 / 840 >

この作品をシェア

pagetop