極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「しかし……メナは、どうやってそれほど多くの人間の支持を集め、国の乗っ取りにまで漕ぎつけたんだ?」

 いくら水面下で色々な人間に働きかけようと……たった二、三年程度の準備期間で、まったく人脈のなかった帝国内でそれほど多くの貴族たちを寝返らせることができるとは思えない。
 それこそ、魔女帝やラエルだって、国内で大きな反乱の前兆があれば気付けたはずだし……。

『おそらく、やつが操る奇跡……今は魔法か、それに関係があると見る。ルイーゼ殿に、メナは“本”の魔法であらゆる事象を再現できるはずだと聞いた。陛下はホルドキア一族の不幸を悲しみ、帝国内で同族内での無用な争いを禁じるいくつかの改革を近年断行している。その方針に不満を抱く貴族たちの精神を、利益を餌に従属へと誘導するくらいなら、わけもなかったのではないか』
「なるほどな……」

 微かな悔いが胸に広がる。僕だって、あの三年前の出来事とは無関係ではない。当時自身が騎士団長ではなかったとはいえ……あの時王宮に居て、メナの暴走を止められていたなら。ロバート医師を助けることができていれば……こんなことは起きていなかっただろうから。

『あまり考え込むな。魔帝国へと潜入したメナの暗躍を掴めなかったことは、現政府に反抗する者たちの手綱を緩めた我々の落ち度だ』
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