極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「ふっ……心配してくれなくとも大丈夫さ。気を落としてなんかいない。むしろ……」

 騎士団の捜索でもメナの遺体はついに見つからず、死んだものと安易に決め込んでしまった。その甘い判断が数年経って世界を脅かすほどの火種となり、今僕たちを追い詰めている。

 だからこそ、ここ彼女を絶対に止める。例え聖女や魔女のような力がなくとも……。それが、この王国の守護を任された僕の責任だから。

「必ず……次でこの戦いを終わらせよう。そうしたら、改めて君たちに世界書の件で協力を仰ぐよ」
『そうだな、本来はこんなことをしている場合ではない。聖女、魔女……それだけではなく多くの人間が知恵を絞り、世界存続の方法を導き出さねば』

 僕たちは互いの意思を共有し、必ず生き残ることを約束する。
 彼らに合流するのは、帝都奪還戦の直前になるだろう。その旨伝え、通信を切ろうとした僕だったが……そこでこの状況にそぐわない質問に意表を突かれた。

『ところでアルベール。お前、シーリとはどのような仲なんだ?』
「……ん?」
< 583 / 840 >

この作品をシェア

pagetop