極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う

42・帝都奪還戦

 視界の向こうに捉えたそれは、今まで見て来たどんな建物よりも異質な……街。

 魔帝国、帝都……。まるで竹籠のような網目状の紫の板が、柵として都市全体を包むように覆い……中心から突き出た漆黒の宮殿は、いかなる素材で建てられたのか陽の光をほとんど弾いていない。
 青空にぽっかりそこだけ亀裂ができているようだ。

「あれが月映宮だ。今から我々は帝都に入り、内部から最上階を目指す」
「あ、あの~……ラエル兄さん。思ったのですが、メナを倒すだけなら、空から乗り込むという手段は?」

 洗濯物、乾きにくそう……そんな雰囲気ぶち壊しな感想は胸にしまい、私は提案してみる。
 なんせこちらからみても、その巨大な覆いに包まれた都市の前面には反乱軍が集結している。あれと正規軍がぶつかり合えば、双方ともただでは済むまい。

 だが、魔女帝もラエル兄さんも揃って首を振った。
< 588 / 840 >

この作品をシェア

pagetop