極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う

43・裏切りの乙女

(ア、アルベール様……いつ彼女とそういうご関係に?)
(違う、信じてくれ。こちらに一切そういう気持ちはないし、事実もない)

 意表を突かれたこちら側が完全に固まる中、ヴィーナはアルベール様にものすごく情熱的な視線を向けている。一方で見たことないくらい険しい顔をしたアルベール様はヴィーナに向き直るときっぱりと告げた。

「誤解の招く発言はやめてくれ! 僕に君に対しての恋愛感情はゼロだ、一切ない。そもそもなぜそんなことを言い出した? こちらを動揺させて隙を作るためか?」
「クク、アンタも罪な男だね。あれだけ思わせぶりな態度で追い回させておいて。こっちを弄ぶだけ弄んで去っていく時のあの見下した目……アンタほど自分のものにしたいと思った男は久しぶりだ。さあ、どうする? アンタさえ身を差し出せば、この戦争を止めるのに一歩近づくかもしれないよ」
「ぐっ……」

 アルベール様は品を作るヴィーナに青ざめながらも、ギリッと奥歯を噛む。げんなりとした青い顔からは、聖王国騎士団長としての責任感と、目の前の女性とは絶対に結ばれたくないというその内心が伝わってくるようだ……。

 だが、やがて彼は意を決したように前に出る。
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