極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 口角を上げたヴィーナは足元に突き立ったカードを拾い、指先を弾き出した火花から煤を生むと、それで自らのサインを描き、投げ返して来た。

「決闘を了承するよ。……ここまで言ったんだ。あんた、自分がぼろきれみたいに燃やされる覚悟はできてんだろうね?」
「あなたこそ。苦い地面を味わう、いい経験ができると思いますよ。では皆さん、私たちから離れてください!」
「シ、シーリ! 君の力はこの先必要なんだ。温存できる機会があるなら……」
「大丈夫ですから。アルベール様は下がって見守っていてくださいね」

 事態が二転三転しずいぶん動揺した様子のアルベール様の言葉を、私は笑顔で遮った。これでどうにか、事前に立てた作戦と同じ流れになったはず。

 とにかく深呼吸――さっきのもやもやした気分を落ち着けよう。

 アルベール様を恋愛的に好きだとか、そういうのじゃなく……彼には色々恩義も感じてるから、こんな人と強引に結ばれるなんて許せない。それだけ。
 悪いけど、ヴィーナの思惑は全力で阻止させていただく……!
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