極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 周囲の兵士と心配そうにしたアルベール様もやがてじりじりと下がり、周囲に円形の空間ができあがった。その中で、私と対になるようにヴィーナは向かい合うと、くすりと笑う。

「それじゃあ、始めるか? アンタ、ずいぶんアタシを舐めてくれてるようだけど……所詮紙だろう? 攻撃も防御もこっちにゃまるで通用しない。それでどうやってアタシを倒すつもりなのかね?」

 言うまでもないけれど、よほど格上の相手だ。
 ヴィーナはよっぽど油断しているのか、無造作にこちらへと歩を進めてきた。それでも、今も強い聖力で自分の身体を覆っているのは分かる。このまま攻撃しても、きっとなんのダメージも与えられない。

 そんな彼女を倒すには、色々知恵を絞らなければ。なにせ、今後の戦いも控えてる、ここでは全力は使わない。

 ミシェル班長にも訓練で教わった。聖力の源泉は心の強さ。まずはそれを少しでも乱させ、制御をおろそかにさせるため、挑発してみよう。

「あなたこそ、私を甘く見てません? 先日あれだけ醜態を晒しておいて、まともな勝負になると思ってるんですから。権力を盾に、大して聖女としての力も磨かず成り上がった人なんて相手にならないですよ。……どうです? 大勢の前でコテンパンに打ちのめされる前に、潔く降伏しちゃうっていうのは――」
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