極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 確かに、ルイーゼ様は水の奇跡を操る。それはヴィーナからすれば相性難。不意打ちで彼女を襲ったのも、まともに戦えば勝機が見えてこなかったからか。

「でもまあ……これ以上は近づいて攻撃しない方が無難かもねぇ。こういうのはどうだい?」
「――っ!」

 腕を突き出したのはほぼ反射だった。
 ヴィーナが唇に乗せた笑みを深くし、その瞬間、ごうっと高温の炎が彼女の手のひらから噴き出す……。
 それは握っていたパラソルを塵芥に変え、炎で起きた上昇気流で空へと巻き上げていった。

「はぁ、はぁ……」
「どうだい、アタシの火の味は」

 肝を冷やした。ヴィーナは得意そうに顎を反らし驚愕するこちらを見下ろしてくる。

「気付いただろ? アタシはもうこないだまでの欠陥品じゃないのさ。他の奴らみたく奇跡を遠くに飛ばすこともできるようになった。弱点はもう消えたんだ! アハハ……つまり、アタシこそが、聖女会で最高の聖女……。あのルイーゼなんかよりよっぽど頂点にふさわしい! お前もそう思うだろ?」
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