極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 死を恐れない精鋭たちからは不満の声もあったが、そこは魔女帝がちらりと目線をくれただけで口を閉ざした。彼らの内にも魔女帝の戦いに割り込めるような手練れはいないようだし、まだ宮殿の中には、避難できていない人もいるようだ。もしもの時のため、彼らを誘導したり救出したりする人員が必要となる。

 指示に従い、きびきびと動き出した配下を見送ると、ついに兄さんは目指す場所を指差した。

「では行こう。ここからは一本道で長い階段が続く。その間敵に遭遇した場合は……。わかるな」
「ああ、僕たちで足止めし……魔女帝とシーリを先に、だね」
「わ、私もですか⁉」
「当たり前だろう? この場の唯一の聖女なんだから」

 そういうことになるのか……と、今さらながら緊張がぶり返してきた。あの時……途方もない実力の片鱗を見せ、巨大な魔物を呼び寄せて消えたあのメナと……この先確実に対峙することになる。

「――はい。覚悟は、できました」

 でも、ここまで来たら……どうなろうと全力を尽くすほかない。
 その想いで顔を上げ、私が月映宮の階段へ歩を進める彼らに続こうとした時――。
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