極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「じゃ、じゃあ……お父様も一緒に聖王国に戻してくれない? それくらいいいでしょう? 私たちは、どうせあちらに戻っても、きっと貧しい暮らししかできないわ。誰にも迷惑はかけないし、ふたりで慎ましく生きていくって約束するから」
「ダメよ。さっき言った条件は変えられない。このまま全員でこちらに残るか、あなただけが大変な条件で頑張るか……どちらかを選んで。私たちにも時間がないから、後、十を数えるうちに――」

 ここで考えを曲げてはダメだ。心が痛んだけれど、私はきっぱりと彼女の申し出を断ると指を折り、時を刻む……。

 ……数え切った後も、少しだけ待つ。

 ……けれども、やっぱり。

「…………」

 アンジェリカは突っ立ったまま地面を見て、それきり何も言わなくなった。周りの聖女たちは、どうしてと、お願いだから私たちだけでも故郷に返してと掴みかかるが、ピクリとも動かない。

「行きましょう、皆さん。……アンジェリカ、ごめんね。あなたのお父さんが生きているって言ったのは嘘だったの」
「――⁉ なによあなた、騙すなんて聖女の風上にもおけない! 最低だわ!」
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