極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う

46・双魔の賢女

 上を見上げると、まだまだ延々と階段が続いてる。
 月映宮の最上階へと続く螺旋階段は、半端じゃない長さだ。

「はぁ、はぁ……」

 五百段くらいを越えたところで……数えるのを止め、とりあえず上ることだけに集中する。

「大丈夫? 疲れたら僕が腕に抱えて……」
「ふざけるな! 未婚の娘の身体にやすやすと触れていいと思っているのか。それくらいなら、家族の俺が運んでやる」
「君はつい最近まで他人だったろ! 僕は彼女を抱き上げた実績がある!」
「何だと⁉ その話詳しく聞かせてもらおうか。場合によっては……!」
「ふたりとも……大丈夫ですからやめてください」

 アルベール様とラエル兄さんの無駄な言い争いを、慌てて仲裁させられる私。
 なんなんだこのふたり……。友人同士だと思ってたけど、蓋を開けてみるとあんまり仲がよろしいようには見えないぞ?
 ぐったりした気分で私が息を整えていると……。

「案ずるな。ほどなく最上階の一つ手前、謁見の間につく。余が運んでやってもよいが、そこで軽い休憩を取ればよい」
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