極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「ふん……余は通していいと言われたか? 大方、ベセルの起動鍵を欲すればのことであろうが……。そなたらも、メナが余を打ち倒すに(あた)う実力の持ち主であると考えておるのか?」
「「その通りでございます。彼女は、陛下のことを一切恐れておられません」」

 そこでガツン、と――呼び出した杖を床が砕けんばかりに叩きつけ、彼女は私たちに告げた。

「……舐められたものじゃ。そなたたちはこやつらを打ち倒したのち、後に続いて見せよ」
「で、でも……おひとりじゃ」

 心配の声を上げる私に、魔女帝は背中で語る。

「やつは虚無の在処に蓄えた魔力を元に、世界を変革させようとしておる。そしてそれは……余が持つ鍵がなければ不完全な状態で行われよう。そうなれば少なくとも、この世界は元の形を残すまい。このまま逃げを打つこともできるが……」

 魔女帝の沈黙が暗に告げていた。
 このために、聖王国との大戦争まで画策して見せたメナのことだ。魔女帝が姿を現さねば……帝都の何万もの人々……いや、もしかしたら帝国全土を人質に誘き寄せることくらいはしてみせるだろうと。
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