極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 頬杖を突くと、私は唇を曲げた。

「これから、どんどん遠い人になっちゃうのかなって思ったら、寂しくなって。あの子はきっとそのままでいてくれるだろうけど……あたしは普通の人間だから。周りから何かを言われたら……きっと嫌な気持ちになる。それでもし、あの子に当たりでもしたら……自分を許せなくなっちゃう。そうなる前に、あたしから離れた方がいいのかなって……。あれ、どうしたんですか?」

 くすりと、隣から笑う気配がして、私は首を傾げる。
 こんな風にミシェル班長がおかしそうにするところ、初めて見たかも。

「あなたはシーリがこの戦争を収め、無事戻ってくると疑わないのですね」
「それは……そうですね。だって、シーリだもん」

 そこだけは迷いなく頷くと、ミシェル班長は自分も城壁にもたれかかった。

「その気持ちだけで……あなたが彼女の側に居る資格は十分だと思いますけれど。まあ、先のことなど案外どうなるか分からないものです。私も今でこそこうして、白薔薇の栄誉を国から与えられていますが……かつてはあなたと同じように、眩しい同輩を仰ぎ見る時期を過ごしていましたから」
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