極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 彼女の瞳には今、辿ってきたたくさんの過去が代わる代わる映っているのだろうか。
 班長もきっとあたしたちと同じように、楽しいことも苦しいことも仲間と一緒に頑張って乗り越えて来たんだな……。
  
 彼女はいつになく柔らかい表情で、こちらに告げる。

「世の中には色んな人がいますよ。要領のいい人、地道に人生の目的を探す人。周りと一緒に幸せを勝ち取る人、たったひとりで、それまでの世界をがらりと変えてしまう人。あなたが自分がどんな人間なのかを気付くのはきっとこれから。悩みなさい……そして悩んでどうしようもなくなった時は、信じられる誰かに、真剣な気持ちで話せばいい。そうすれば、勇気をもってくれたあなたに我々も全力で答えようという気になります。その絆はきっと物事をよい方向に運んでくれますから」
「…………う……うぅ……はんちょお~‼」
「こ、これ、涙は堪えなさい! 私が新人いびりをしていると思われたら困るでしょう!」
「でもあたひ感動しちゃって……」

 ついはぐはぐと涙声になってしまったあたしの目元に、ミシェル班長のハンカチが優しく当てがわれた。

 あたしたちの瞳は、すぐに羨ましいものに溺れてしまう。
 自分に持ってないものばかり探して。お金、外見、その他色んな才能もすぐ比較して、あれもないこれもないって勝手に苦しみながら、何十年もの長い時を過ごしてく……。
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