極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
(……ん?)

 頭のもやが少しずつ収まっていくと、やっと窓の外から声が響いているのに気付く。
 見下ろせばそこでは、城壁の補修する兵士たちに加わって汗を流す聖女の姿が。バケツと金ゴテをせっせと動かし、罅や穴が開いている壁を補強しているのだろう。この砦自体も、時の聖女が建てたもので、かなり老朽化しているからな……。

『ほらー、そこサボってないで! これが終わったらたくさんお給料がもらえるんですから!』
『ま、そういわれたら仕方ねえ』『ポピア様には敵わねえなぁ』
(ふ~ん……)

 確か、あいつは母上の快癒の宴に姿を現したシーリの友人。
 いくら戦争前とはいえ、少しの気分転換くらいは許されよう。ここでこうしていても気が晴れそうになく、俺は護衛を率いてそちらへと向かう――。

 するとそこでは他にも多くの聖女たちが、兵士たちの中に混じって彼らを鼓舞していた。
 しかし城壁の修理など、誰にでもできる仕事。オレは彼女らの意図が分からず……不思議そうに一番気を張っている目立つオレンジ頭に話しかけた。
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