極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 おお……とどよめきの声が漏れる。本来王侯の立場ある者が民に詫びるなど、非難されても仕方のない行動。だが……ここで魔帝国の軍勢を止められねば王国には後がない。ならば……どうせまだ戴冠も済ませていないのだ、下らぬプライドなど今は捨て置く。

「それを踏まえ、オレからひとつだけ……お前たちに送れるものがあると思った。形あるものではないし、これがお前たちにとって力になるかも分からない。でも……こうしてここに立つ勇気を持ってくれたお前たちに、今何か報いることができたら、と思ったのだ」

 聞いてくれ――そう一言挟むと大きく息を吸い込み。

 それぞれ真剣な表情で何が起こるのかを見つめている兵士たち、ひとりひとりに伝えようという想いで。
 オレは……歌い出した。聖王国の、魂の歌を。

 “おお民よ 唱えよ我が聖なる祖国を
 何度膝をつこうと 旗を仰ぎ前を見よ
 守れ大地を 輝く未来を子に譲らん
 白き光を胸に絶やさず         “
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