極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 おそらく、魔帝国・聖王国の大戦争を越える、おぞましき事態が――。

「ふふふ……。まあ、帝都くんだりまで来させて何のもてなしもしないようでは礼儀に欠けるし、特別に君には私の目的を話してあげることにしようか。その感じだと、知の乙女辺りにおおまかな経緯は聞いているね?」

 私はメナを見据えコクリと頷く。
 すると彼女は両手を広げ、自身の胸中をつまらなそうに明かしてゆく。まるで、腐るほど読み漁った物語の結末を語るかのように。

「ふたつの国の戦争なんてのは、せいぜい私を動きやすくさせるための目晦ましに過ぎなかった。ただ、本来の目的を果たすために、かなり準備に手間はかけたけれどね」

 でなければ、自国の動静に詳しい魔女帝やラエル兄さんが察知していたはず。
 巨大なふたつの国を巻き込み、大勢の人々の命を秤にかけて叶えたい事柄が彼女にあるとすれば……やはり。

「お兄さんの……ロバートさんのこと?」
「ああ。話を聞いていれば自然と行きつく答えだね。私の目的は、最初からそれだけ。聖王国での暗躍や、ジーレット侯爵の手を借りて魔物騒ぎを起こしていたことも……魔女帝の名を借り、今回の戦争を起こしたことも、全て……」
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