極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 真っ白なその平静な瞳が……逆に恐ろしい。

 普通なら、諦めるしかないところを……。なまじ奇跡の力というものがあるせいで、微かな希望の光をメナは追わずにはいられなかった。例え、その周りが屍の山で満ちていたとしても。

 彼女は本心から、お兄さんを生き返らせるためなら何もかも犠牲にして構わないと思っている。仮にここで私が、大勢の人の命を盾に責めても、メナは決して聞き入れない……。心がそうした狂気ではっきりと定まっているのが感じ取れる。

「それに、他にも色々努力はしたんだ。私の授かった本の奇跡はかなり融通が利いたからね。でも……兄さんを作り直すことはついぞできなかったな。おそらく……魂というか、心という部品が現実の理を越えて精製されているんだろう。ふふふ、ガワだけならいくらでも組み立てられたんだけどね?」

 はははははははは――地の底から湧き上がる様な乾いた笑いに背筋がぞくっとする。
 この人には、もう誰の言葉も届かない……。そう確信してもなお、私は何か言わずにはいられなかった。

「メナ……お願い、諦めて。私にだってほんの少しは分かるよ、大切な人が側に居ない寂しさは。わかる気がするけど……」

 まだ対話が通じるなら……そんな一本の藁にすがり、私は自分の想いを伝える。
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