極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「無くなってしまうからこそ、大切だって感情が強くなっていくんでしょう? いつか会えなくなるから、この時だけでもって……そんな気持ちを抱えたまま私たち、手からこぼれ落ちる何かを必死に搔き集めて生きてくんだ。そんなことでお兄さんを生き返らせられたとしても……きっと、彼がかつてあなたに向けてくれた必死な想いとかが、違うもので塗りつぶされてしまう気がするよ。それで、いいの?」

 上手く言い表せないまま……私はそれでもこの胸にせり上がるもやもやをなんとか言葉にした。けれど……。

「ふふ……美しい綺麗事だ。君はその正しさで、多くの人を救うことができるんだろう。でもね、私には残酷な言葉にしか聞こえないよ。誰もが、同じ時、同じ幸せを過ごせるわけじゃない。君も分かっているはずだ、この世はとても不平等なんだって……」

 空々しい拍手とともに、ほんのわずかに、メナの言葉に赤黒い感情が灯った。

「それを無理やり呑み込み、同じ痛みを共有した誰かで失ったものを薄めて……これでいいって自分を慰めながら生きていく? そんなの……ごめんだ。私は自分よりも大切なものを殺した私と、そうさせたこの世界を、許さない」

 メナはそれきり踵を返し、奥にある虚無の在処へと近づいてゆく。ルイーゼ様が叫んだ。
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