極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「シーリ、今すぐメナを止めて! 彼女はあれを使って、世界を作り直そうとしてる! 虚無の在処は、闇の月を発動させるための――世界書で作り出されたあらゆるものを再構築(リセット)するための起動装置なの!」
「――っ⁉」

 私はその言葉に従い、聖力を生み出して大地を蹴った。だが――。

「ああ、その通りだ。私は……兄さんが失われたこの世界を一度無に帰し、あるべき時の形へと生みなおす。空、海、大地、木々……そして兄さんを。この虚無の在処の――あの黒い月の力を使ってね」

 間に合わない。夥しい数の黒いページが、ゆく手を阻む。
 この黒ページはおそらく虚無の再現、私の闇魔法とほぼ同じ力――。
 紙の奇跡は吸い込まれて消え、私はやむなく闇を圧縮させた剣で、それらを切り裂いていく。

「……さすがに、本物の闇の力は強力だ。この時、この場所でなければ私は君に敵わなかったろう。ふふふ、聖王国にて長い時間溜め込んだ虚無の力が、国を守ろうとする君を阻むのさ。そして……」

 今さら、彼女の手に何かが握られているのが気付いた……。それは魔女帝が被っていた、あの漆黒の桂冠。それを彼女は、虚無の在処へゆっくりと近づけていく。
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