極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 彼女は苦しそうな息を吐きながら氷の円盤を生み出すと、ルイーゼ様を閉じ込めていた鳥籠に投げ放つ。それは檻を両断し、彼女が出られる隙間を作った。

「聖王国に属するそなたらに、魔帝国の未来を預けねばならぬとは……なんたる恥辱。だが……どうか頼む。やつにどんな理由があろうとも……そのような悍ましい実験に、世界を、巻き込むわけには……」

 それきり魔女帝は意識を失い、聖女の力を取り戻したルイーゼ様が、私の隣に降り立った。
 
「ふん……残り魔力を集中させ、どうにかベセルの起動を抑えたか。無駄なことを……。それで今度は、君たちで協力して私を打ち倒すつもりかい?」
「ええ。あなたたちだけのためにこの世界は存在する訳じゃない……なにより、きっとそんなことをロバート自身は望まないわ」

 愛する人を目の前で失った今でも……ルイーゼ様の瞳に宿るのは憎しみよりも、苦しみと痛み――。目の前の悲しい連鎖を一刻も早く終わらせたいという意思だ。

「シーリ……私たちの責任を押し付けるようで無様だけれど、今度こそ……この子を止める力を貸してちょうだい」
「はい……私にも、守らなければならない大事なものが、たくさんあります」
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