極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 僕の任務は騎士団長として……大陸の覇者、聖王国ランシルエルトを守ること。
 とはいえ、ほぼ外敵からではなく、もっぱら国内での犯罪や魔物たちからなのだが。

 ……大それた肩書を持つ僕だって人だ。
 始終仕事のことばかり考えていたくはない。せめて任務を終えたこの時くらいは、私的な用向きに時間を割く権利くらいはあるだろう。

 肩の重さを感じながらも城には戻らず、目立たない路地の近くで御者に下ろしてもらう。

「悪いね。個人的な用事だから、君はこのまま戻ってくれ」
「かしこまりました」

 若くして団長に抜擢されて二年、今年で二十一になる。
 ようやく団員たちに認められ、舐められなくなってきたのはいいけれど……反面この姿は聖都で知られ過ぎた。プライベートまで関係ない人たちに詮索されるのは、さすがにあまり好ましいことではない。気持ちがささくれだった今の状態ではなおさら。

 日々、重い責任に身体が悲鳴を上げる。
 最近では、あまり食事も味がしない……それでも、こなさせてくれる役割があるだけ、いい。
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